#001|自分がどうしたいのかわからなかった私が、「夢」を伝え続けている理由

「夢」と聞くと、少し身構えてしまう。

そんな方は、意外と多いのではないでしょうか。

夢というと、何かすごいことを実現しなければいけないような気がする。
フワフワ、キラキラしていて、現実とは少し離れたものに感じる。

子どもには「夢を持とう」と言うのに、大人が夢を口にすると、「いつまでそんな夢みたいなことを言っているの」と言われてしまうこともあります。

私自身も、かつては「夢」と言われても、何を考えたらいいのかわからない一人でした。

37歳。初めて描いたドリームマップ®に、モヤモヤしか残らなかった

私が初めてドリームマップ®のワークショップに参加したのは、37歳のときでした。
当時は、仕事と子育てで毎日が飛ぶように過ぎていました。

目の前には、やらなければならないことがたくさんある。
仕事をして、子どものことをして、家のことをして。

毎日を一生懸命に過ごしていました。

そんな私がドリームマップ®をつくってみたとき、何かがすっきりしたかというと、むしろ逆でした。
正直、モヤモヤしか残りませんでした。

「私、これからどうしていきたいんだろう」

それが、まったくわからなかったのです。

自分ではちゃんと毎日を生きているつもりだったのに、「自分は何をしたいのか」「これからどう生きていきたいのか」と聞かれると、答えが出てこない。

そのことに気づかされてしまいました。

モヤモヤした一枚が、自分に目を向けるきっかけになった

それでも、つくったドリームマップ®は毎日目に入ります。
すると、すぐに答えが出たわけではないのですが、少しずついろいろなことに気づくようになりました。

「あ、私、これが好きだったな」

「そういえば、昔こんなことをやりたかったな」

「これは、ずっと大事にしてきたことかもしれない」

毎日の忙しさの中で後回しにしていた自分の気持ちを、思い出していったのです。

そして、自分の気持ちに気づくと、見えるものが変わりました。
人との出会いに目が向くようになったり、「ちょっとやってみよう」と動いてみたり。

一つひとつは小さなことでしたが、そこから少しずつ、いろいろなことが動き始めました。

そのとき、私は思いました。

「こんな方法があるなら、もっと早く知りたかった」

これが、私が多くの人にドリームマップ®を届けたいと思った最初のきっかけです。

夢は、最初からはっきりしていなくてもいい

あの頃の私は、「夢がなかった」のではないのだと思います。

毎日の役割や、やるべきことに一生懸命で、自分の中にある小さな「好き」や「うれしい」、「こうだったらいいな」に気づく時間がなくなっていただけなのかもしれません。

だから今、私たちは夢を「達成すべき大きな目標」だけに限らないと考えています。

好きなこと。
ワクワクすること。
大切にしたいこと。
こんなふうに生きられたらいいな、と思うこと。

そんな小さな感覚に気づいていく中から、「こうしたい」「やってみたい」という想いが、その人の内側から湧き出てくることがあります。

そして、自分の心から湧き出た想いだからこそ、「ちょっとやってみよう」と自然に身体が動き始める。

私がたくさんの方と関わる中で何度も見てきたのは、そんな瞬間でした。

最初は「夢なんてありません」「私には無理です」と話していた人が、自分の中にあった想いに気づいたとき、表情が変わる。

夢は、外から与えられるものではありません。

誰かに「持ちなさい」と言われて持つものでもない。

その人の中にあるものに気づいていく中から、湧き出てくるものなのだと思います。

先が見えない時代だからこそ、自分の内側にあるものを大切にしたい

いまは、先の見通しが立ちにくい時代です。
これまでの「こうすれば大丈夫」という正解が、そのまま未来にも通用するとは限りません。

でも、どうなるかわからないということは、まだ決まっていないということでもあります。

だからこそ、「世の中の正解」に自分を合わせ続けるだけではなく、

「私は何が好きなんだろう」
「何を大切にしたいんだろう」
「どんな毎日だったらうれしいんだろう」

と、自分に問いかけることが、これまで以上に大切になるのではないでしょうか。

未来に希望を持つというのも、大きな夢を掲げることではありません。

「こんなことができたらいいな」「ちょっとやってみたいな」

そんな気持ちが一つあるだけでも、今日の過ごし方は少し変わります。

だから私は、「夢なんて」と遠ざけてしまうのは、少しもったいないと思っています。

夢が湧き出て、行動につながるプロセスを体系化したDCT

私たちは長年、ドリームマップ®の実践を通して、多くの方が自分の想いに気づき、夢を描き、そこから行動を始める姿に立ち会ってきました。

その実践の積み重ねを、脳科学の知見をもとに整理し、体系化したものが、DCT(Dream Creation Technology®)です。

DCTは、夢そのものを教えるものではありません。

自分の中にある「好き」「ワクワク」「大切にしたいこと」に気づき、自分らしい夢が湧き出て、行動へとつながっていくための基盤となる考え方です。

そしてドリームマップ®は、そのプロセスを実際に体験する場です。夢を描き、目に見える形にしていく中で、最初の一枚が私にとってそうだったように、自分を知るきっかけになります。自分のことがわかり、心から「こうだったら最幸」と思えるワクワクする夢に気づくと、行動は自然と起こり始めます。

このコラムで伝えていきたいこと

このDCTコラムでは、夢について、さまざまな角度から一緒に考えていきたいと思っています。

なぜ夢を描くと行動につながるのか。
なぜ大人になると、自分の「好き」がわからなくなることがあるのか。
「夢がない」と感じるとき、私たちの中では何が起きているのか。
そして、自分らしい夢が湧き出るために、日常の中でできることは何なのか。

夢という言葉が好きな方だけのコラムにはしたくありません。

むしろ、

「夢と言われても、よくわからない」
「今さら夢なんて」
「毎日で精いっぱいで、そんなことを考える余裕はない」

そんな方にこそ、読んでいただけたらと思っています。

私自身も、そこから始まりました。

わからないところから、始めてもいい。
すぐに答えが出なくてもいい。

自分らしい夢は、いつからでも、何度でも。

このコラムが、自分の中にある小さな気持ちに目を向けるきっかけになれば、うれしいです。

DCTについてもう少し詳しく知りたい方は、「DCT理論とは」のページもご覧ください。

この記事を書いた人

三輪裕子(一般社団法人ゆめのチカラ代表理事)
立命館大学で人の発達を学び、子育て支援や再就職支援の現場で、長年「人」と向き合ってきた。
37歳でドリームマップ®と出会い、2012年に認定ファシリテーターとなる。2017年より代表理事。ドリームマップ®が積み重ねてきた20年以上・16万人の実践知を、脳科学の知見をもとに整理し、2021年、誰もが実践できる形として「Dream Creation Technology®(DCT)」に体系化した。